眼瞼痙攣、顔面痙攣

目周辺がピクピクする

目周辺がピクピクする眼瞼痙攣

疲れているときなどに、まぶたが意思とは関係なくピクピク動くことがあります。一時的なもので自然に治まる場合もありますが、繰り返し起こる・長く続く場合には、眼瞼痙攣、片側顔面痙攣といった疾患が疑われます。

これらは命に関わる病気ではなく、痛みもありませんが、

非常に煩わしく、生活の質(QOL)を大きく低下させる症状です。

  • ・細かい作業ができない

  • ・文字をスムーズに読めない

  • ・人前に立つ仕事がつらい

など、日常生活やお仕事に支障をきたすこともあります。

当院では、ボトックス注射による治療を行っています。目周囲の痙攣が繰り返し起こる場合は、お気軽にご相談ください。

眼瞼痙攣

眼瞼痙攣は、両目の周囲の筋肉が意思とは無関係に痙攣し、目を開けにくくなる病気です。

まぶたの開閉を調整する脳からの指令がうまく伝わらなくなることで発症します。

  • 男性より女性に多く見られ、年齢的には50歳以上に多い傾向があります。

睡眠導入剤の服用やストレスがきっかけになると指摘されることもありますが、特別な原因がなく発症するケースも多く、過度に気にする必要はありません。

片側顔面痙攣

片側顔面痙攣は、顔の左右どちらか片側だけに痙攣が起こる疾患です。

  • 目の周囲、口の周囲に痙攣が起こることが多く、進行すると頻度や強さが増す傾向があります。

  • 年齢的には50歳以上に発症が多く、女性の発症が約7割となっています。高血圧症や脂質異常症(高脂血症)など生活習慣病があると片側顔面痙攣発症のリスクが高いとされています。

緊張時・会話中・食事中・笑ったときなど、表情が動く場面で起こりやすいのが特徴です。

目周辺など顔に痙攣を起こす他の疾患

眼瞼痙攣や片側顔面痙攣だけでなく、目の周囲をはじめ顔に痙攣を起こす疾患は他にもあります。原因疾患は適切な検査をすることではじめてわかりますので、目周辺に痙攣が起こるようでしたら早めに眼科を受診してください。

眼瞼ミオキミア

疲れや睡眠不足などによって起こる、まぶたの筋肉の痙攣です。睡眠や休息をしっかりとることで解消します。また、ゆっくり入浴する、趣味やスポーツなどでリフレッシュするなども再発防止に効果的です。

ドライアイ

眼瞼痙攣でもまぶしさを強く感じたり、目が乾く症状を起こすことがあります。ドライアイだと思っていたら眼瞼痙攣だったという場合、こうした症状は目のうるおいを改善させても解消しません。目の乾きがあって目薬を点眼しても改善しない場合、必ず眼科を受診するようにしましょう。

眼瞼痙攣・顔面痙攣のボトックス療法

ボトックス注射は、美容医療で広く知られていますが、もともとは眼瞼痙攣や片側顔面痙攣の治療として開発された治療法です。現在も、有効性の高い標準治療として用いられています。

眼瞼痙攣と片側顔面痙攣の治療として行うボトックス注射は、外来で施術可能となっており、健康保険が適用されます。

ボトックスは筋肉の緊張を緩和させる作用を持っています。そのため、痙攣の起こる筋肉にボトックスを注射すると痙攣の症状を抑えることができます。ただし注射直後に効果を実感できるものではなく、時間をかけて少しずつ効果が現れてきます。

効果は注射直後ではなく、数日後から徐々に現れ、約3〜4か月持続します。効果が弱くなってきた場合には、定期的な再注射を行います。

ボトックス療法の副作用と安全性

ボトックス治療で起こる可能性のある副作用として、一時的に以下の症状が起こることがあります。

  • ・まぶたを閉じにくい

  • ・まぶたを開けにくい

  • ・物が二重に見える

  • ・表情の違和感

これらは、薬剤の効果が弱まるとともに自然に改善します。

ボトックス療法の注意点

注射液が必要な範囲外にまで拡散してしまうと、抑制させたくない筋肉まで動きが制限されて表情が不自然になってしまうなどが起こる可能性があります。そのため、下記のことにご注意ください。

当日

注射部位にできるだけ触れないよう心がけてください。
洗顔もできれば避けるか、注射部位は触れないようにすませます。

注射後、数日間

もんだりマッサージしたり、シャワーなどで強い水圧を当てたりするのは厳禁です。

ボトックス療法の料金

※眼瞼痙攣や片側顔面痙攣治療として行う保険診療における目安の金額です。

眼瞼痙攣・片側顔面痙攣に対するボトックス療法の料金(保険診療)
1割負担 約5,600円
3割負担 約17,000円

眼瞼痙攣・顔面痙攣Q&A

Q1. まぶたがピクピクするのは病気ですか?

A. 一時的なピクピクであれば、 疲労・睡眠不足・ストレスによる眼瞼ミオキミアのことが多く、自然に改善します。 しかし、 繰り返し起こる 数週間以上続く 目が開けにくい 場合は、眼瞼痙攣や片側顔面痙攣の可能性があります。

Q2. 眼瞼痙攣とはどんな病気ですか?

A. 眼瞼痙攣は、 両目のまぶた周囲の筋肉が意思と関係なく収縮する病気です。 特徴として、 目が開けづらい まぶしさがつらい 目をつぶってしまう 読書や運転が困難になる といった症状が現れます。

Q3. 片側顔面痙攣とは何が違うのですか?

A. 片側顔面痙攣は、 顔の左右どちらか一方だけ 目の周囲から口元まで 痙攣が広がるのが特徴です。 会話中・食事中・笑った時などに 症状が強く出ることがあります。

Q4. 命に関わる病気ですか?

A. いいえ。 命に関わる病気ではありません。 ただし、 視機能への影響 社会生活・仕事への支障 強いストレス など、QOL(生活の質)を大きく低下させるため、治療が重要です。

Q5. 原因は何ですか?

A. 正確な原因は完全には解明されていませんが、 脳からの神経伝達の異常 神経の過剰な興奮 血管による神経圧迫(片側顔面痙攣) などが関与していると考えられています。 ストレスや睡眠導入剤がきっかけになることもありますが、 特別な原因がなく発症することも多い病気です。

Q6. 年齢や性別に傾向はありますか?

A. 50歳以上 女性に多い という傾向があります。

Q7. 放っておくとどうなりますか?

A. 自然に治ることはほとんどなく、 痙攣の頻度が増える 症状が強くなる 生活への支障が拡大する ケースが多いため、早めの治療をおすすめします。

Q8. 治療方法は何がありますか?

A. 現在、最も有効で標準的な治療が ボトックス注射(ボツリヌス療法)です。

Q9. ボトックス治療とは何ですか?

A. 痙攣している筋肉に ボトックスを少量注射することで筋肉の過剰な動きを抑える治療です。 外来で可能 手術不要 健康保険適用 となっています。

Q10. すぐに効果は出ますか?

A. 注射直後ではなく、 数日〜1週間程度で効果が出始め 3〜4か月程度効果が持続 します。 効果が弱くなったら、再注射が可能です。

Q11. 副作用はありますか?

A. 一時的に、 まぶたが重く感じる・目が閉じにくい・二重に見える・表情の違和感 などが出ることがあります。 これらは薬の効果が薄れると自然に改善します。

Q12. 美容のボトックスと同じですか?

A. 薬剤は同じですが、 注射部位・量・目的 がまったく異なります。 治療目的のボトックスは保険適用で行います。

Q13. 日常生活で注意することはありますか?

A. 治療当日は、 注射部位を強く触らない もまない・マッサージしない 数日間は、 強い圧をかけない 長時間の入浴や激しい運動を控える ことが大切です。

Q14. どの診療科を受診すればいいですか?

A. 眼瞼痙攣・片側顔面痙攣は 眼科での診断・治療が可能です。 目の病気やドライアイとの鑑別も重要なため、 まずは眼科専門医にご相談ください。

TEL:03-6429-7567
一番上に戻る